重なり合って歯並びがでこぼこになったり、ねじれてしまっている状態。
歯列不正の中でも最も多い形。アゴが小さく歯が並ぶスペースが足りないことが原因となるケースが多い。
このような習慣が続いてしまうとアゴが上手く成長しないため、歯並びが悪化してしまう可能性があります。
歯並びが悪くなる理由には以下の5つの原因が関与しています。
現在5人中4人のお子さんに歯列不正やアゴの発育不全があるといわれています。
最近の研究では、筋機能の不正によるロ呼吸・舌癖などがアゴの発育不全の原因として明らかになっています。
また、アレルギーや長期間の指しゃぶりも発育不全を生み出します。このように歯やお口の発育は、舌・頬・唇を含めた全ての機能から大きな影響を受けています。
歯列不正にはさまざま種類があります。よくあるお子さんの歯列不正の歯並びの種類を紹介します。
重なり合って歯並びがでこぼこになったり、ねじれてしまっている状態。
歯列不正の中でも最も多い形。アゴが小さく歯が並ぶスペースが足りないことが原因となるケースが多い。
叢生の次に多い歯列不正。
上の前歯が前方向に傾斜し、横から見た時に上の歯並びが前に出ている状態。遺伝や上下のアゴの発育バランスが悪いケースや、下唇を咬むくせが原因となる場合がある。
横から見た時に下の前歯が強く前に傾斜し、下の歯並びが前に出ている状態。
遺伝やアゴの発育バランスが原因とされている。歯並びの問題の中でも一番治療が難しいとされ、長期間の治療が必要。
噛み合わせた時に奥歯は咬むけれど、前歯にすき間ができている状態。
長期の指しゃぶりや口呼吸、遺伝による顔の骨格が原因となることもある。前歯で咬めないので奥歯の負担が大きくなり、発音もしづらくなります。
上下の前歯の先端どうしが、当たっている噛み合わせです。
正常な前歯の咬合は、上の歯が下の歯に1~3mmほど覆っていますが、浅い噛み合わせでは先端どうしがぶつかってしまい、前歯の先に大きな負担がかかります。前歯が削れてきたり、欠けたりするリスクが高くなります。
歯を噛み合わせた時に、上の前歯が下の前歯を覆い隠してしまう歯並びです。
噛み合わせが深いと下アゴの動きが制限される可能性が高く、アゴの関節に必要以上の負担をかけて、顎関節症を誘発することもあります。また下の歯が上の前歯の裏側の歯ぐきをかみ込み、傷つけて炎症を起こすこともあります。
従来、歯並びは遺伝的な要因が大きいと考えられ、矯正治療はアゴの成長が終了してから行うことが主流でした。
しかし最近は、お口のまわりの筋肉が正しく使えているかが歯並びに大きく影響することが明らかになっています。
マイオブレース治療は口腔習癖を改善することからはじまります。
歯並びやアゴの成長を妨げる根本的な原因に幼いうちからアプローチすることで、お子さんの本来の正しいアゴの発達を促して歯並びを整えられます。
当院のマウスピース小児矯正は、『マイオブレースシステム』というマウスピースとお口や姿勢のトレーニング(アクティビティ)の二方面から
お子さんの歯並びが悪い原因を治していく治療を行っていきます。
マイオブレースシステムは、オーストラリアのDr.Chris Farrellにより不正咬合の原因を、早期に治療するための筋機能装置として開発されました。
本来子どもが持っている正しい歯並びを促すだけでなく 呼吸改善など健康面においても大きなメリットがあることで注目され、
25年経った現在では世界100ヶ国以上に広まり日本においても、このシステムを取り入れた矯正治療が行われるようになりました。
ワイヤー矯正が取りはずしではなく24時間つけているのに比べ、小児矯正で使うマウスピースは1日、日中に一時間、夜間寝ている時、トレーニングの時に使用します。
マウスピースは、間違ったクセや習慣を改善出来るようにデザインされています。
そのため、使用するマウスピースは、お子さんの年齢やアゴの発育、お口の状態に合わせ歯科医師の指導のもと、使い分けていきます。
マウスピース小児矯正では、マウスピースを使うだけでなく、最初に間違ったクセを、トレーニングによって改善することから始めていきます。そして、同時にマウスピースを使って、永久歯が正しい位置に自然に生えてくるように導き、歯並びを良くしていきます。私たちは、それらを『アクティビティ』と呼んでいます。
トレーニングは、正しい呼吸の練習からスタートし、舌・嚥下(飲み込み)そして、くちびるの筋力トレーニングへと続きます。1ヶ月に一度の来院で、その成果をチェックし、出来ていると判断すれば、次のトレーニングへと進みます。
マイオブレースは従来のワイヤーを使用した矯正治療とは異なり、専用のマウスピースを、就寝中と日中1〜2時間装着をします。通常のワイヤー矯正のような矯正器具を使用しないので、見た目も目立ちません。
マイオブレースは口の筋肉を鍛えて根本的な歯並びを悪くする原因を改善するため後戻りすることがほとんどありません。
従来の矯正治療では、歯を並べるスペースを確保するために抜歯を行うことがあります。マイオブレースシステムは歯を抜くことを前提としていません。
通常のワイヤー矯正のような矯正器具を使用しないので、痛みの心配もありません。また、外して歯磨きもできるため虫歯リスクも回避ができます。
不正咬合の原因ともいえるロ呼吸を改善。正しい呼吸、咀嚼、嚥下を身に着けることで、歯並びだけでなく健康面にも大きな効果が期待できます。
現在日本で主流となっているワイヤーを使った小児矯正は「悪い歯並びを力技で整える」治療になります。つまり「歯並びが悪くなった後からの」アプローチです。
当院が行っているマイオブレース小児矯正は「悪くなる前に、もしくは原因を取り除くことで悪くなってしまった歯並びを整える」治療法です。
「結果」へのアプローチか、「原因」へのアプローチか。これが一番の違いです。そしてアプローチ方法が異なれば、「治療法」や「治療結果」も変わってきます。
一般的な 小児矯正 |
マイオブレース 小児矯正 |
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装置 |
目立つ装置が多い |
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痛み | 力技で歯を動かすので痛みが伴う | 痛みは伴わない |
抜歯の必要性 | 抜歯することもある | 抜歯しない |
治療中、むし歯になる可能性 | ワイヤーを利用する場合は取り外しができないため、むし歯になってしまう可能性が高い | 取り外しが可能でお口のケアがしっかりできるので、治療が原因でむし歯になる可能性は低い |
治療後の保定装置 (リテーナー) |
必要 | 必要ない |
後戻り | 歯並びが悪くなる原因は改善されていないので、歯並びが戻る確率が高まる | 原因から改善していくので、歯並びは後戻りしない |
歯並びのキレイさ | キレイに整う | 機能性の回復を優先させるため、一般的な矯正と比べ若干歯並びのキレイさは劣る |
トレーニングの有無 | 行わない | 1日数十分のトレーニングを自宅で行う必要あり |
副次的効果 | 特になし |
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原因は「口腔周囲筋(舌・唇・頬の筋肉)」の機能不全です。具体的に分かりやすくお伝えします。
これらによって引き起こされた「結果」が「悪い歯並び」です。
マイオブレース小児矯正は、歯を直接動かすのではなく、悪い歯並びになってしまう「原因」をマウスピースやトレーニングで改善していく治療法になります。
歯並びはお口だけの問題ではなく、座り方、姿勢、抱っこの仕方が原因で悪くなってしまうことがあります。親御さんと一緒にお子さんの正しい「姿勢」を獲得する訓練を行います。
インファントという取り外しできるマウスピース型の装置を1日2回10分~20分利用することで、アゴの成長を促し、歯並びが悪くなる原因を除去していきます。
マイオブレーストレーナーという取り外し式の装置と舌・口・呼吸の訓練を行います。
歯並びが悪くなる口呼吸、舌の突き出し、指しゃぶりなどを改善します。
上記の他、ご自宅で毎日トレーニングを行います。
トレーニングというと「難しそう」「続けられるかな……」と不安に思われるかもしれません。トレーニング自体は難しくはありませんし、痛みも抑えられます。しかし、「継続」が大切になります。このトレーニングを行わないと効果が半減してしまいます。
そのため、お子さんに継続してもらうため、親御さんの協力が必要となります。トレーニング方法は、専門のトレーニングを受けた専任スタッフがお伝えします。
また、ご自宅でも精度の高いトレーニングを実施してもらうため、ご自宅のパソコンや携帯で閲覧できるオリジナルアプリケーションをダウンロードし、アニメのキャラクターと一緒に楽しくトレーニングができる環境を整えています。
マイオブレースの適応年齢は5歳から15歳ですが、最も効果的に改善できるのは、小学1年生から5年生といわれています。
一般的に上アゴの成長発達が終わる時期は個人差はありますが小学校高学年ごろまでと考えられています。逆算をすると6~7歳くらいからトレーニングを行えば、理想的なアゴの成長を促すことが期待できます。
また、トレーニングの目安はおよそ2年程度と考えており、正しい呼吸方法が維持できればその後トレーニングを続ける必要はありません。
藤井歯科ではマイオブレースのトレーニングルームを設けています。
トレーニングスタッフがお子さんと一緒に楽しくおロまわりの筋肉トレーニングを行っていきます。
キレイな歯並びを目指して一緒に頑張りましょう!
ご要望を聞いた上で、お子さんにとって最適な矯正をご提案します。
(初診の方は、先に一度受診が必要です。)
矯正治療に必要な検査を行います。(レントゲン、歯の型取り、写真撮影)
首元や襟元の楽な服装でお越しください。
検査の結果によるお子さんの状態、治療方法、治療費用などをご説明します。お子さんと親御さんに治療開始の意思確認を行います。
誤った口腔習癖の原因がなくなるまでを小児予防矯正の治療期間とします。その後、残りの生えかわりのチェックは3カ月ごとの検診によってフォローすることができます。
マイオブレースの働きを高めるには、舌やロまわりの筋肉、呼吸のトレーニングが重要です。
トレーニングは毎日行うため粘り強さも必要です。トレーニングの進み具合は個人差があり、結果が早く出るケースやトレーニングが長引くケースもあります。
今までの習癖を完璧になくすには、より早い段階からトレーニングプログラムを始める必要があります。トレーニングは比較的簡単で、段階に合わせてステップアップしていきます。
マイオブレースは『歯並びを悪くする要因を排除し、お子さん本来の正しい歯並びに導く』矯正です。そのため、早期に始めればお子さんのお口や体に負担をかけることなく、より少ないコストで美しい歯並びに導けます。