補綴歯科ってなに?
「補綴(ほてつ)歯科」とは、歯が欠けたり、歯がなくなった場合にクラウンや入れ歯などの人工の歯で見た目や噛み合わせを補う治療法のことです。
歯を失うと口もとの審美性(見た目)や咀嚼、発音といった日常生活に必要な機能が妨げられ、生活の質(Qualityoflife,QOL)が著しく損なわれます。
補綴治療を行うことで「うまく咬めない」「うまくしゃべれない」「見た目が悪い」といった問題を解決し、生き生きとした毎日を送ることができます。
それは健康や生活の質の維持・向上に繋がります。
さらに、健全な咀嚼機能を維持することは脳の活性化にも役立つことが報告されています。
一方、歯がない状態を長期間放置すると、残った歯の位置が変化し、歯並びが悪くなったり噛み合わせに悪い影響を及ぼして、2次的に虫歯や歯周病を引き起こしたり、顎関節症になったりすることがあります。
それ以外にも、全身の健康にも影響を及ぼします。
例えば歯が失われ、消化器官としての口腔の機能が損なわれると、他の消化器官への影響が危惧されます。
お口の正常な機能を発揮、維持できる補綴治療はとても大切です。
痛みや腫れが治まったからといって、歯科医院での治療を中断しないようにしましょう。
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クラウン
歯(歯冠)がぼろぼろになった場合、歯の全体を削り人工の歯を上からかぶせる治療です。比較的大きな虫歯を治療した後や、根管治療を行った後に行います。
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ブリッジ
両脇の歯を土台にして、人工の歯を橋のように架ける治療です。歯が1~2本なくなっても、その両脇の歯がしっかりしているときに行います。
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部分入れ歯
虫歯や事故などで歯や歯を支える骨の一部がなくなった場合、そのなくなったところを補う装置で、口元の形態や見た目の不良を回復し、食事やしゃべりやすさを改善します。
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総入れ歯
上顎または下顎のすべての歯を失った方(無歯顎者)のための入れ歯のことです。総入れ歯、あるいは総義歯、全部床義歯といいます。
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インプラント
歯がなくなったところの骨に、チタンなどの金属を埋め込み、その上に人工の歯を作る方法です。人工歯根とも呼ばれます。
運悪く歯を失ってしまった時の選択肢とその基準
歯を失った後の治療方法には、インプラントのほか、ブリッジや入れ歯などの選択肢がありますが、藤井歯科医院では、インプラント治療をおすすめしています。
なぜならブリッジや入れ歯は、健康な歯を削る必要があるため、将来的にその歯を失うリスクを高めてしまうからです。多くの歯を将来へ残していくためには、他の歯に負担をかけず、歯を補うことが必要です。
もちろん、インプラントにもデメリットがありますし、それぞれの治療法の違いを確認した上で治療方法を選択するようにしましょう。
ブリッジ | 入れ歯 | インプラント | |
---|---|---|---|
費用 | 保険適応 | 保険適応 | 保険外 |
咀嚼能力 | 自分の歯に近い咀嚼能力を回復できる | 咀嚼能力が大きく低下する | 自分の歯と変わらない咀嚼能力を回復できる |
審美性 | 保険診療の場合、部位に よっては銀歯になる | 部分入れ歯は金属のバネ が目立ち、審美性に劣る | 自然な歯と変わらない審美性を回復できる |
他の歯への悪影響 | 健康な歯を削る必要がある | バネをかける歯に負担がかかる | 他の歯への影響はない |
治療期間 | 比較的期間を要しない | 比較的期間を要しない | 治療期間が長くなる |
治療方法 | 手術の必要はない | 手術の必要はない | 外科手術が必要になる |
歯槽骨の吸収 | 骨吸収が起こる | 骨吸収が起こる | 骨吸収を抑制できる |
違和感 | 少ない | 生じやすい | ほとんどない |
適応症 | 支える歯がなければ適応できない | ほとんどの症例で適応となる | 歯槽骨がないと適応できない |
寿命 | 7~8年 | 4~5年 | 10年残存率が90%超 |
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1 費用
費用面が原因で、インプラント治療を断念する人も少なくありません。入れ歯・ブリッジは保険が適用となるので、自由診療のインプラントと比較すると費用が安く済みます。インプラント費用の相場は、35~50万円(1本当たり)とされていますが、保険内(3割負担)のブリッジは1万円前後、入れ歯(総入れ歯)では数千円程度です。 -
2 咀嚼能力
インプラントとブリッジは自分の歯に近い咀嚼能力を回復できますが、入れ歯は咀嚼能力が低下してしまうという大きな欠点があります(入れ歯になると、咀嚼力が自然な歯の50%以下にまで低下してしまいます)。また、入れ歯は使用していると少しずつ合わなくなってきたり、すり減ってきたりするので、回復した咀嚼能力を長期間維持することは困難です。 -
3 審美性
インプラントは自分の歯と遜色のない見た目の美しさを取り戻すことができますが、保険適用のブリッジ治療では、部位によって銀歯になってしまいます。また、保険適用の白色の素材(レジン)は、見た目が少し不自然で変色しやすいという特徴もあります。総入れ歯は比較的審美性が高いと言えますが、部分入れ歯の場合は金属のバネが目立つため、審美性に劣ります。 -
4 他の歯への悪影響
先にも紹介しましたが、インプラントは独立した人工歯を作り出す治療法ですから、他の歯に悪影響を及ぼすことはありません。しかし、ブリッジは隣り合う健康な歯を削る必要がありますし、入れ歯は他の歯にバネをかけて人工歯を支えるため、バネをかける歯に負担がかかってしまいます。 -
5 治療期間
インプラントは、ブリッジや入れ歯と比較して治療期間が長くなり、通院回数も多くなります。
忙しい人には、インプラントの治療期間や通院回数がネックとなっているケースもありますが、治療方法によってはインプラントの治療期間を短縮し、通院回数を減らすことも可能です。一般的にインプラント治療には3か月~6か月の期間を要しますが、ブリッジや入れ歯であれば短くて3回程度の通院で治療が完了します。 -
6 治療方法
インプラントは、ブリッジや入れ歯とは異なり、外科的手術が必要になります。
1本の埋入手術の場合、15分程度で治療できることが多いですが(症例によって異なります)、ブリッジや入れ歯治療は外科手術の必要がありませんから、やはり治療による体の負担はインプラントの方が大きいと言えるでしょう。しかし、当院では静脈内鎮静法を併用してインプラント手術を行うことにより、体にかかる負担に加えて、治療に対する不安・恐怖心の軽減を図っています。 -
7 歯槽骨の吸収
歯を失うと、歯を支えている骨(歯槽骨)が痩せてしまいます。これは歯根がなくなることによって、歯槽骨に咀嚼の刺激が伝わらなくなるためです。抜歯後にブリッジ・入れ歯で失った歯を補っても、咀嚼の刺激は骨に伝わらず、顎の骨は少しずつ痩せていきます。しかし、インプラントは顎の骨に咀嚼の刺激が伝わるので、骨の吸収を抑制できます。 -
8 違和感
インプラントとブリッジは、自分の歯と変わらない感覚で使えますが、入れ歯は違和感を覚える方が多く、慣れるまで「異物感がある」と訴える人も少なくありません。また、入れ歯が合わないと、痛みを生じる場合もあります。 -
9 適応症
ブリッジは、隣り合う歯を支えにするので、支えとなる歯がなければ適応できません。一方
インプラント治療では、顎の骨が不足しているとインプラントと骨がしっかり結合しないので適応できません。しかし、当院では骨を増やす治療(骨造成)も行っており、「骨が足りなくてインプラント治療を諦めていた」という患者様にも、インプラント治療を受けていただくことができます。歯を失ってからの期間が長くなると、骨量の不足を理由にインプラント治療を断られてしまうケースも少なくありません。「他院でインプラント治療を断られた」という方も、ぜひ当院へご相談ください。 -
10 寿命
ブリッジの寿命は7~8年、入れ歯の寿命は4~5年と言われていますが、インプラントは10年残存率が90%を超えています。世界で初めてインプラント治療を受けた患者様は、亡くなるまでの40年以上、同じインプラントを使い続けていました。インプラントはメンテナンスをしっかり行えば、長持ちする治療方法だと言えるでしょう。
-
ブリッジが向いているケース
すでに抜いた歯の前後の歯を虫歯などの治療で削っているような場合で、インプラントが予算的に困難な方には、ブリッジが第一選択となること多いでしょう。
しかし、ブリッジの支えとなる前後の歯は虫歯によってすでに脆くなっている上に、支えとなった分の負担がかかるので、数年後には歯が割れてしまったり、新たな虫歯になったりすることが多く、結果的に再治療が必要になる可能性が高いことを十分に理解した上で治療を受けることをおすすめしています。 -
部分入れ歯が向いているケース
歯がない部分がとびとびであったり、2本以上連続して歯がなかったり、あるいは奥にもう歯がないようなケースでは、ブリッジで対応できないことが多く、入れ歯かインプラントが適応となります。複数のインプラントは高額になりますので、予算的に困難であると、他に抜かなくてはいけない歯があるけどできるだけ歯を抜きたくないという患者様に向いています。また、インプラントにする前に、試しに入れ歯を使ってみるというのも1つの選択肢です。最近では、ノンクラスプデンチャーといって、入れ歯を安定させるための金具のない目立たない入れ歯もあります。保険外ではありますが、インプラントほど高額ではない点も魅力的かもしれません。しかし、入れ歯には取り外しの煩わしさや違和感を解決できないという欠点があります。 -
インプラントが向いているケース
インプラント治療は、原則すべてのケースにおいて適応できます。インプラント治療ができないケースは重度の全身疾患で観血処置ができない場合、歯槽骨が足りない場合は骨移植が必要であったり、治療期間が長期に渡ることはありますが、経験豊富なインプラント専門医であれば、ほとんどのケースでインプラント治療ができます。
その上、インプラントはブリッジと比較して歯を削らない、入れ歯と比較して違和感がない、といったメリットに加えて、他の自分の歯に負担をかけずに健康を守れるという大きなメリットがあります。長期的な観点から費用対効果(10年予後が98%)を考慮すれば、新たな歯の欠損を予防することができるインプラント治療は決して高額ではないと言えるでしょう。健康な歯を削りたくない、入れ歯は嫌だ、という方はインプラント治療をご検討ください。
かぶせ物・差し歯・詰め物
自分の歯と一体化して末永く働きます
かぶせ物や差し歯などのクラウン、詰め物のインレーは、いずれも患者様の歯の一部となって末永く活躍するものです。
一人ひとりのお口の様子、歯の形や色調、お求めの機能は違いますから、経験を積んだ歯科技工士が患者様のニーズに合わせ、完全なオーダーメイドでクラウンやインレーを一つひとつお作りします。
詰め物、被せものには保険適用の素材と保険外(自費)の素材があります。当院では保険治療を中心に行っていますが、保険と自費はそれぞれメリットとデメリットがあります。
もちろん、保険診療でも歯科医師と歯科技工士が連携して最高の治療を行いますが、自費診療ではさらに技術と素材にこだわり、最新鋭の機器を駆使して、見た目の美しさ、高い機能性を追究し、患者様のご期待にお応えできます。
※私たちは、薬事法の許可を受けた高品質かつ安全な素材の歯科材料や金属類のみを使用しております。
保険外の補綴物に関する注意点
自費診療の補綴物には5年間(インプラントは10年間)の保証がついておりますが、この保証はクリニックでの定期的なメンテナンスを受けている場合に限ります。
銀歯からセラミックに交換するメリットとは
銀歯は口を開けた時に目立ってしまうため、歯を白くしたいという方は多いのではないでしょうか。特に、セラミックの歯は色やツヤが自然歯に近いため、前歯のような審美性が求められる治療に適しています。
しかし、セラミックのメリットは見た目だけではありません。セラミックには、銀歯にはないさまざまメリットがあることから、最近はセラミックを選ぶ人が増えています。
銀歯による虫歯治療のデメリット
一般的に金属製の補綴物のことを銀歯といいますが、実際に銀で作られているわけではありません。歯科用金属にはいくつかの種類がありますが、保険治療では金銀パラジウム合金という貴金属系合金が最も多く使われています。
金銀パラジウム合金は、金・銀・パラジウム・銅のほか、インジウム等を含む金属です。安価で強度が高いというメリットがある反面金銀パラジウム合金で作製された銀歯に使うことにより、次のようなリスクが高くなります。
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1 歯科用金属アレルギー
歯科用金属アレルギーとは、唾液に溶けてイオン化した金属が、体内に取り込まれた後でタンパク質と結合することにより、異物(アレルゲン)とみなされて起こるアレルギー反応のことです。銅やパラジウムのほか、まれに金や銀に対してアレルギー反応を起こす人は、金銀パラジウム合金で作られた銀歯を入れた場合、アレルギー症状が起きる可能性があります。 -
2 ブラックライン
銀歯や金属製のフレームの差し歯を入れた場合、溶け出した金属イオンが歯茎に沈着して、歯と歯茎の境目に黒っぽい線が現れるブラックラインがみられる場合があります。ブラックラインは、歯茎が痩せて歯根が露出してしまった場合、さらに目立ちやすくなるため、前歯のような審美性が求められる部分の治療には注意が必要です。 -
3 二次カリエス
二次カリエスとは、虫歯治療を行った歯で二次的に起こる虫歯のことで、金属の詰め物や被せ物にした場合、二次カリエスが起こりやすくなります。二次カリエスの主な原因としては、銀歯の劣化があげられます。金属が酸化することによって、徐々に歯と銀歯の間に隙間ができて、虫歯ができやすい状態になります。
セラミック治療の5つのメリット
セラミックによる歯科治療には、主に次のようなメリットがあります。
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目立たない
セラミックは、保険治療の対象となるプラスチック(レジン)と違って、天然歯に近い透明感やツヤが得られることから、前歯に入れても自然でほとんど目立ちません。
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劣化しにくい
セラミックは通年劣化が起こりにくく、ほとんど変色が見られないのが特徴です。そのため、銀歯に比べて二次カリエスも少なく、長く使い続けることができます。
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体への影響が少ない
セラミックは、銀歯のような金属アレルギーの不安がない上、ブラックラインやブラックタトゥーのような歯茎への影響もありません。
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表面に汚れが付きにくいい
銀歯は表面に細かな傷がつきやすいため、表面に汚れが付きやすいという欠点があります。それに対して、セラミックは硬くて傷つきにくいため、銀歯のような汚れは付着しません。
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補綴物の精度が高い
患者さんの歯の模型をスキャナーで読み取ったデータをもとに、CADCAMで設計・製作した補綴物は、正確性が高く歯にぴったり合うため、虫歯になりにくいという利点があります。
セラミック治療のデメリット
セラミックには銀歯にはない優れたメリットがある一方で、残念ながらいくつかのデメリットがあります。そのため、セラミックのメリットとデメリットの両方を理解した上で、銀歯とセラミックのどちらを選ぶか検討することが大切です。
特に、セラミック治療は審美性を高めるために行うことから、保険が適用されないため、銀歯に比べて治療にかかる費用が高額になってしまいます。
さらに、セラミックは高強度である反面、強い力がかかると割れやすいという性質があります。そのため、強い歯ぎしりやくいしばりの癖がある場合は「奥歯には強度の高いセラミックを選ぶ」「歯ぎしり防止のため就寝中にマウスピースを装着する」等の対策をとると安心です。
クラウン(かぶせ物、差し歯)のご案内
健康保険適用外(自費)クラウン
健康保険適用外(自費)のクラウンは3種類あります。
身体に優しく審美性に優れたセラミックを使い、自分の歯に近いナチュラルな色合いを再現します。
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ジルコニアセラミック冠
料金:120,000円〜150,000円/1本
自然な歯に最も近い美しさで、
審美性において最も優れたセラミックです。人工ダイヤモンドの硬さを持つセラミックフレームの上に、熟練の歯科技工土が何層もの陶材(セラミックパウダー)を築盛・焼成して仕上げます。セラミックは汚れが付きにくく、変色もしにくいため、透き通るような白さが長持ちします。 -
プレスセラミック冠
料金:80,000円/1本
強さと美しさを両立させたセラミックです
かぶせ物全体がガラス(ニケイ酸リチウム)を主成分にしたセラミックでできています。セラミックブロックをファーネス(加工装置)により、患者様一人ひとりに合わせた形にプレスして製作します。
自然な見た目と優れた強度を持ち合わせたクラウンですので、前歯から臼歯まで幅広く使われています。
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ジルコニア冠
料金:50,000円/1本
強度が高く、最も割れにくいセラミックです
冠全体がジルコニア(人工ダイヤモンド)でできているので、セラミック素材の中でも群を抜いて頑丈です。セラミックでありながら金属とほぼ同等の曲げ強度があるので、「白い金属」とも呼ばれています。ただ透明度が低く、自然な歯よりも白っぽく見えてしまうので、臼歯部(奥歯)に限り適応になります。
健康保険適用クラウン
健康保険適用クラウンは2つあります。
見た目は良くありませんが、機能性や耐久性に問題はなく安価です。
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レジン前装冠
適応:前歯
料金:保険適用となります
前歯は保険の範囲で白くできます
金属のフレーム上にプラスチックを盛ったもので、表の部分は白いレジン (プラスチック)で覆われていますが、裏は金属になっています。プラスチックはセラミックと違って変色も激しいため、経年的に自分の歯との違いが目立ってきます。また、ベースに使われている金銀パラジウム合金が唾液などによってイオン化すると溶け出してしまうため、歯ぐきを黒く変色させたり、金属部分が溶けだしたことでできるすき間部分が虫歯になりやすいというデメリットがあります。 -
メタル冠
適応:︎臼歯
料金:保険適用となります
奥歯のかぶせ物は保険診療では金属になります
「金銀パラジウム合金」という金属でできたかぶせ物になります。安価で壊れづらく、基本的な咬む機能は有していますが、審美性やアレルギーの問題はあります。また、メタルは経年的に腐食するため、かぶせ物と歯の間にすき間ができ、中で虫歯が進行してしまうことも少なくありません。保険で詰めた銀歯は、5年~7年でやりかえられているという統計が出ています。
インレー(詰め物)のご案内
虫歯の範囲が限定的であれば、クラウン(かぶせ物)ではなく、インレー(詰め物)で修復します。
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セラミックインレー
適応:︎臼歯
料金:35,000円/1本
陶器でできた白い詰め物で自分の歯と見分けがつきません
セラミックの中でも透明感の強い素材を使用しており、色の安定性に優れ変色もないので、詰め物をしていることに気づかれないでしょう。また、セラミックインレーは保険の銀歯とは違う安定性の高いセメントを使って歯と一体化した状態で接着するため、すき間ができず細菌の侵入を防ぐので虫歯が再発する危険性は少ないと言えます。咬む力が強い方は壊れやすいため、ナイトガードなど歯を保護する装置を併用する可能性があるのが欠点です。 -
メタルインレー
適応:︎臼歯
料金:保険適用となります
奥歯の詰め物は保険診療では金属になります
安価で壊れにくいのが特徴で、主に奥歯で使用される金属の詰め物です。
短所は見た目が悪く、少し見えるだけで銀歯だとわかってしまいます。また歯への密着が白い詰め物にくらべ劣るので、虫歯の再発がしやすい点があげられます。さらに、金属アレルギーの心配もあります。
歯の土台(コア)の治療のご案内
大きな虫歯や歯の破折、再治療などにより歯に十分な量の歯質が残っていない場合の治療では、人工の歯の土台(コア)で歯を補強する必要があります。
歯質があまり残っていない歯にクラウン(かぶせ物)をつけても、すぐに取れたり、残っている歯が割れたりしてしまう場合もあります。
歯の土台(コア)は目立たない部分ですが、とても重要な治療です。
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ファイバーコア
適応:︎前歯・臼歯
料金:15,000円/1本
グラスファイバーのピンで補強したレジン(プラスチック)の土台です。光の透過性があり自然な歯に似た白さを持つため、セラミッククラウンのような透過性の高いかぶせ物で補綴する場合は、より透明感のある歯を再現できます。歯質とより近い性質があるので、メタルコアと比較すると歯質や接着剤とも一体化しやすいのが特徴です。また、硬さや弾力性が自分の歯に近いので強い力がかかった場合も歯根を壊しにくく、歯質の大部分を失った歯の治療により適した土台です。 -
メタルコア
適応:︎前歯・臼歯
料金:保険適用となります
奥歯の詰め物は保険診療では金属になります
保険治療で最も一般的に使用されている金属の土台(コア)です。保険適用のため治療費用は安いですが、金属は歯よりも硬く弾性がないため歯根が破折する可能性があります。また、金属なので光が透過しないため、自然な透明感を再現しにくく、金属の溶け出しによる歯や歯ぐきの変色や金属アレルギーなどの心配もつきまといます。
補綴歯科専門医による補綴治療
どうぞ安心しておまかせください。
補綴歯科専門医とは
詰めもの・かぶせもの・入れ歯・インプラント・セラミックなどを使った審美修復、これらを総称して「補綴(ほてつ)」と呼びます。「補綴専門医」というのは、これらの治療を専門とする歯科医のことです。
「補綴専門医」になるためには、研修施設で5年間の研修を受けて専門的な補綴治療の知識と技量をマスターした上で、日本補綴歯科学会が実施する専門医の認定試験に合格する必要があります。さら に、5年以上の学会在籍、5年間で10回以上の学会出席、2編以上の論文発表、これらに加えて2回以上の学会発表という条件をクリアした上で、複数の審査官(各大学教授)の前で症例発表をして口頭 試問を受けなくてはなりません。一度専門医の資格を取得しても5年ごとに更新が必要で、口頭試問こそ免除されますが、学会発表や論文発表、学会出席義務は継続します。開業医で5年ごとの更新を継続するのは至難と言えます。患者様の歯や歯肉がなんらかの理由で欠損し、治療が必要な場合には、これらの厳しい資格要件を満たし続けている補綴専門医が治療を行います。
補綴専門医は、患者様の機能・審美・噛み合わせ等を計算しながら、インプラント、クラウン、ブリッジ、ベニア、総義歯、部分義歯など様々なオプションを用いて口腔内の治療を行います。一般の歯科医師でも、これらの治療のいくつかを行う事ができますが、歯学部を卒業後、高度な臨床経験と専門医教育を受けた補綴専門医はこれらの治療に関するエキスパートです。近年、安全であるはずのインプラント治療のトラブルを耳にします。補綴専門医でない歯科医師でもインプラントなどの補綴治療ができ、インプラントは高額なので多くの歯科医が手がけます。しかし、インプラントをはじめとする難しい補綴治療は、やはり専門医にやってもらうべきだと思います。
咬合再構成症例①
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主訴
「咀嚼困難」「ガミースマイル」
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目的
重度ブラキシズム(歯軋り)による咀嚼障害とガミースマイルによる審美障害の回復
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治療内容
歯冠頂延長術+顎運動解析+審美情報・運動路採得+咬合再構成
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副作用・リスク
補綴装置脱離・破損、顎関節症
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治療期間
12ヶ月
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費用[税抜]
3,400,000円
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【内訳】
- ジルコニアセラミック冠: 150,000円×12本
- プレスセラミック冠: 80,000円×16本
- 歯冠頂延長術: 120,000円
- プロビジョナルレストレーション: 100,000円×2回
咬合再構成症例②
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主訴
「審美不良」
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目的
不良補綴装置による審美障害の回復
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治療内容
抜歯+インプラント+審美情報・運動路採得+咬合再構成
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副作用・リスク
術後疼痛・腫脹、顎関節症
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治療期間
10ヶ月
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費用[税抜]
2,400,000円
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【内訳】
- インプラント: 350,000円×3本
- プロビジョナルレストレーション: 90,000円×2回
- プレスセラミック冠: 80,000円×19本
咬合再構成症例③
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主訴
「審美不良」「咀嚼困難」
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目的
不良補綴装置による審美障害・咀嚼障害の回復
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治療内容
抜歯+インプラント(抜歯即時埋入、骨造成、ソケットリフト) +審美情報・運動路採得+咬合再構成
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副作用・リスク
術後疼痛・腫脹、顎関節症
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治療期間
18ヶ月
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費用[税抜]
5,700,000円
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【内訳】
- インプラント: 350,000円×9本
- 骨造成: 70,000円×2カ所
- ソケットリフト: 50,000×3カ所
- プロビジョナルレストレーション:80,000円×2回
- ジルコニアセラミック冠: 150,000円×14本
「補綴(ほてつ)歯科」とは、歯が欠けたり、歯がなくなった場合に
クラウンや入れ歯などの人工の歯で見た目や噛み合わせを補う治療法のことです。
歯を失うと口もとの審美性(見た目)や咀嚼、発音といった日常生活に必要な機能が妨げられ、
生活の質(Qualityoflife,QOL)が著しく損なわれます。
補綴治療を行うことで「うまく咬めない」「うまくしゃべれない」「見た目が悪い」といった問題を解決し、
生き生きとした毎日を送ることができます。
それは健康や生活の質の維持・向上に繋がります。
さらに、健全な咀嚼機能を維持することは脳の活性化にも役立つことが報告されています。
一方、歯がない状態を長期間放置すると、残った歯の位置が変化し、
歯並びが悪くなったり噛み合わせに悪い影響を及ぼして、
2次的に虫歯や歯周病を引き起こしたり、顎関節症になったりすることがあります。
それ以外にも、全身の健康にも影響を及ぼします。
例えば歯が失われ、消化器官としての口腔の機能が損なわれると、他の消化器官への影響が危惧されます。
お口の正常な機能を発揮、維持できる補綴治療はとても大切です。
痛みや腫れが治まったからといって、歯科医院での治療を中断しないようにしましょう。
歯(歯冠)がぼろぼろになった場合、歯の全体を削り人工の歯を上からかぶせる治療です。比較的大きな虫歯を治療した後や、根管治療を行った後に行います。
両脇の歯を土台にして、人工の歯を橋のように架ける治療です。歯が1~2本なくなっても、その両脇の歯がしっかりしているときに行います。
歯を失った後の治療方法には、インプラントのほか、ブリッジや入れ歯などの選択肢がありますが、藤井歯科医院では、インプラント治療をおすすめしています。
なぜならブリッジや入れ歯は、健康な歯を削る必要があるため、将来的にその歯を失うリスクを高めてしまうからです。多くの歯を将来へ残していくためには、他の歯に負担をかけず、歯を補うことが必要です。
もちろん、インプラントにもデメリットがありますし、それぞれの治療法の違いを確認した上で治療方法を選択するようにしましょう。
ブリッジ | 入れ歯 | インプラント | ||
1 | 費用 | 保険適応 | 保険適応 | 保険外 |
2 | 咀嚼能力 | 自分の歯に近い咀嚼能力を 回復できる | 咀嚼能力が大きく低下する | 自分の歯と変わらない咀嚼 能力を回復できる |
3 | 審美性 | 保険診療の場合、部位に よっては銀歯になる | 部分入れ歯は金属のバネ が目立ち、審美性に劣る | 自然な歯と変わらない審美 性を回復できる |
4 | 他の歯への 悪影響 | 健康な歯を削る必要がある | バネをかける歯に負担がかかる | 他の歯への影響はない |
5 | 治療期間 | 比較的期間を要しない | 比較的期間を要しない | 治療期間が長くなる |
6 | 治療方法 | 手術の必要はない | 手術の必要はない | 外科手術が必要になる |
7 | 歯槽骨の 吸収 | 骨吸収が起こる | 骨吸収が起こる | 骨吸収を抑制できる |
8 | 違和感 | 少ない | 生じやすい | ほとんどない |
9 | 適応症 | 支える歯がなければ適応できない | ほとんどの症例で適応となる | 歯槽骨がないと適応できない |
10 | 寿命 | 7~8年 | 4~5年 | 10年残存率が90%超 |
費用面が原因で、インプラント治療を断念する人も少なくありません。入れ歯・ブリッジは保険が適用となるので、自由診療のインプラントと比較すると費用が安く済みます。インプラント費用の相場は、35~50万円(1本当たり)とされていますが、保険内(3割負担)のブリッジは1万円前後、入れ歯(総入れ歯)では数千円程度です。
インプラントとブリッジは自分の歯に近い咀嚼能力を回復できますが、入れ歯は咀嚼能力が低下してしまうという大きな欠点があります(入れ歯になると、咀嚼力が自然な歯の50%以下にまで低下してしまいます)。また、入れ歯は使用していると少しずつ合わなくなってきたり、すり減ってきたりするので、回復した咀嚼能力を長期間維持することは困難です。
インプラントは、ブリッジや入れ歯と比較して治療期間が長くなり、通院回数も多くなります。
忙しい人には、インプラントの治療期間や通院回数がネックとなっているケースもありますが、治療方法によってはインプラントの治療期間を短縮し、通院回数を減らすことも可能です。一般的にインプラント治療には3か月~6か月の期間を要しますが、ブリッジや入れ歯であれば短くて3回程度の通院で治療が完了します。
インプラントは、ブリッジや入れ歯とは異なり、外科的手術が必要になります。
1本の埋入手術の場合、15分程度で治療できることが多いですが(症例によって異なります)、ブリッジや入れ歯治療は外科手術の必要がありませんから、やはり治療による体の負担はインプラントの方が大きいと言えるでしょう。しかし、当院では静脈内鎮静法を併用してインプラント手術を行うことにより、体にかかる負担に加えて、治療に対する不安・恐怖心の軽減を図っています。
歯を失うと、歯を支えている骨(歯槽骨)が痩せてしまいます。これは歯根がなくなることによって、歯槽骨に咀嚼の刺激が伝わらなくなるためです。抜歯後にブリッジ・入れ歯で失った歯を補っても、咀嚼の刺激は骨に伝わらず、顎の骨は少しずつ痩せていきます。しかし、インプラントは顎の骨に咀嚼の刺激が伝わるので、骨の吸収を抑制できます。
インプラント治療では、顎の骨が不足しているとインプラントと骨がしっかり結合しないので適応できません。しかし、当院では骨を増やす治療(骨造成)も行っており、「骨が足りなくてインプラント治療を諦めていた」という患者様にも、インプラント治療を受けていただくことができます。歯を失ってからの期間が長くなると、骨量の不足を理由にインプラント治療を断られてしまうケースも少なくありません。「他院でインプラント治療を断られた」という方も、ぜひ当院へご相談ください。
ブリッジの寿命は7~8年、入れ歯の寿命は4~5年と言われていますが、インプラントは10年残存率が90%を超えています。世界で初めてインプラント治療を受けた患者様は、亡くなるまでの40年以上、同じインプラントを使い続けていました。インプラントはメンテナンスをしっかり行えば、長持ちする治療方法だと言えるでしょう。
しかし、ブリッジの支えとなる前後の歯は虫歯によってすでに脆くなっている上に、支えとなった分の負担がかかるので、数年後には歯が割れてしまったり、新たな虫歯になったりすることが多く、結果的に再治療が必要になる可能性が高いことを十分に理解した上で治療を受けることをおすすめしています。
歯がない部分がとびとびであったり、2本以上連続して歯がなかったり、あるいは奥にもう歯がないようなケースでは、ブリッジで対応できないことが多く、入れ歯かインプラントが適応となります。複数のインプラントは高額になりますので、予算的に困難であると、他に抜かなくてはいけない歯があるけどできるだけ歯を抜きたくないという患者様に向いています。また、インプラントにする前に、試しに入れ歯を使ってみるというのも1つの選択肢です。最近では、ノンクラスプデンチャーといって、入れ歯を安定させるための金具のない目立たない入れ歯もあります。保険外ではありますが、インプラントほど高額ではない点も魅力的かもしれません。しかし、入れ歯には取り外しの煩わしさや違和感を解決できないという欠点があります。
インプラント治療は、原則すべてのケースにおいて適応できます。インプラント治療ができないケースは重度の全身疾患で観血処置ができない場合、歯槽骨が足りない場合は骨移植が必要であったり、治療期間が長期に渡ることはありますが、経験豊富なインプラント専門医であれば、ほとんどのケースでインプラント治療ができます。
その上、インプラントはブリッジと比較して歯を削らない、入れ歯と比較して違和感がない、といったメリットに加えて、他の自分の歯に負担をかけずに健康を守れるという大きなメリットがあります。長期的な観点から費用対効果(10年予後が98%)を考慮すれば、新たな歯の欠損を予防することができるインプラント治療は決して高額ではないと言えるでしょう。健康な歯を削りたくない、入れ歯は嫌だ、という方はインプラント治療をご検討ください。
一人ひとりのお口の様子、歯の形や色調、お求めの機能は違いますから、経験を積んだ歯科技工士が患者様のニーズに合わせ、完全なオーダーメイドでクラウンやインレーを一つひとつお作りします。
詰め物、被せものには保険適用の素材と保険外(自費)の素材があります。当院では保険治療を中心に行っていますが、保険と自費はそれぞれメリットとデメリットがあります。
もちろん、保険診療でも歯科医師と歯科技工士が連携して最高の治療を行いますが、自費診療ではさらに技術と素材にこだわり、最新鋭の機器を駆使して、見た目の美しさ、高い機能性を追究し、患者様のご期待にお応えできます。
※私たちは、薬事法の許可を受けた高品質かつ安全な素材の歯科材料や金属類のみを使用しております。
自費診療の補綴物には5年間(インプラントは10年間)の保証がついておりますが、この保証はクリニックでの定期的なメンテナンスを受けている場合に限ります。
しかし、セラミックのメリットは見た目だけではありません。セラミックには、銀歯にはないさまざまメリットがあることから、最近はセラミックを選ぶ人が増えています。
一般的に金属製の補綴物のことを銀歯といいますが、実際に銀で作られているわけではありません。歯科用金属にはいくつかの種類がありますが、保険治療では金銀パラジウム合金という貴金属系合金が最も多く使われています。
金銀パラジウム合金は、金・銀・パラジウム・銅のほか、インジウム等を含む金属です。安価で強度が高いというメリットがある反面金銀パラジウム合金で作製された銀歯に使うことにより、次のようなリスクが高くなります。
セラミックによる歯科治療には、主に次のようなメリットがあります。
セラミックには銀歯にはない優れたメリットがある一方で、残念ながらいくつかのデメリットがあります。そのため、セラミックのメリットとデメリットの両方を理解した上で、銀歯とセラミックのどちらを選ぶか検討することが大切です。
特に、セラミック治療は審美性を高めるために行うことから、保険が適用されないため、銀歯に比べて治療にかかる費用が高額になってしまいます。
さらに、セラミックは高強度である反面、強い力がかかると割れやすいという性質があります。そのため、強い歯ぎしりやくいしばりの癖がある場合は「奥歯には強度の高いセラミックを選ぶ」「歯ぎしり防止のため就寝中にマウスピースを装着する」等の対策をとると安心です。
身体に優しく審美性に優れたセラミックを使い、
自分の歯に近いナチュラルな色合いを再現します。
審美性において最も優れたセラミックです。
自然な見た目と優れた強度を持ち合わせたクラウンですので、前歯から臼歯まで幅広く使われています。
健康保険適用クラウンは2つあります。
見た目は良くありませんが、機能性や耐久性に問題はなく安価です。
金属のフレーム上にプラスチックを盛ったもので、表の部分は白いレジン
(プラスチック)で覆われていますが、裏は金属になっています。プラスチックはセラミックと違って変色も激しいため、経年的に自分の歯との違いが目立ってきます。また、ベースに使われている金銀パラジウム合金が唾液などによってイオン化すると溶け出してしまうため、歯ぐきを黒く変色させたり、金属部分が溶けだしたことでできるすき間部分が虫歯になりやすいというデメリットがあります。
「金銀パラジウム合金」という金属でできたかぶせ物になります。安価で壊れづらく、基本的な咬む機能は有していますが、審美性やアレルギーの問題はあります。また、メタルは経年的に腐食するため、かぶせ物と歯の間にすき間ができ、中で虫歯が進行してしまうことも少なくありません。保険で詰めた銀歯は、5年~7年でやりかえられているという統計が出ています。
クラウン(かぶせ物)ではなく、インレー(詰め物)で修復します。
自分の歯と見分けがつきません。
セラミックの中でも透明感の強い素材を使用しており、色の安定性に優れ変色もないので、詰め物をしていることに気づかれないでしょう。また、セラミックインレーは保険の銀歯とは違う安定性の高いセメントを使って歯と一体化した状態で接着するため、すき間ができず細菌の侵入を防ぐので虫歯が再発する危険性は少ないと言えます。咬む力が強い方は壊れやすいため、ナイトガードなど歯を保護する装置を併用する可能性があるのが欠点です。
短所は見た目が悪く、少し見えるだけで銀歯だとわかってしまいます。また歯への密着が白い詰め物にくらべ劣るので、虫歯の再発がしやすい点があげられます。さらに、金属アレルギーの心配もあります。
人工の歯の土台(コア)で歯を補強する必要があります。
歯質があまり残っていない歯にクラウン(かぶせ物)をつけても、
すぐに取れたり、残っている歯が割れたりしてしまう場合もあります。
歯の土台(コア)は目立たない部分ですが、とても重要な治療です。
グラスファイバーのピンで補強したレジン(プラスチック)の土台です。光の透過性があり自然な歯に似た白さを持つため、セラミッククラウンのような透過性の高いかぶせ物で補綴する場合は、より透明感のある歯を再現できます。歯質とより近い性質があるので、メタルコアと比較すると歯質や接着剤とも一体化しやすいのが特徴です。また、硬さや弾力性が自分の歯に近いので強い力がかかった場合も歯根を壊しにくく、歯質の大部分を失った歯の治療により適した土台です。
保険治療で最も一般的に使用されている金属の土台(コア)です。保険適用のため治療費用は安いですが、金属は歯よりも硬く弾性がないため歯根が破折する可能性があります。また、金属なので光が透過しないため、自然な透明感を再現しにくく、金属の溶け出しによる歯や歯ぐきの変色や金属アレルギーなどの心配もつきまといます。
どうぞ安心しておまかせください。
詰めもの・かぶせもの・入れ歯・インプラント・セラミックなどを使った審美修復、これらを総称して「補綴(ほてつ)」と呼びます。「補綴専門医」というのは、これらの治療を専門とする歯科医のことです。
「補綴専門医」になるためには、研修施設で5年間の研修を受けて専門的な補綴治療の知識と技量をマスターした上で、日本補綴歯科学会が実施する専門医の認定試験に合格する必要があります。さら
に、5年以上の学会在籍、5年間で10回以上の学会出席、2編以上の論文発表、これらに加えて2回以上の学会発表という条件をクリアした上で、複数の審査官(各大学教授)の前で症例発表をして口頭
試問を受けなくてはなりません。一度専門医の資格を取得しても5年ごとに更新が必要で、口頭試問こそ免除されますが、学会発表や論文発表、学会出席義務は継続します。開業医で5年ごとの更新を継続するのは至難と言えます。患者様の歯や歯肉がなんらかの理由で欠損し、治療が必要な場合には、これらの厳しい資格要件を満たし続けている補綴専門医が治療を行います。
補綴専門医は、患者様の機能・審美・噛み合わせ等を計算しながら、インプラント、クラウン、ブリッジ、ベニア、総義歯、部分義歯など様々なオプションを用いて口腔内の治療を行います。一般の歯科医師でも、これらの治療のいくつかを行う事ができますが、歯学部を卒業後、高度な臨床経験と専門医教育を受けた補綴専門医はこれらの治療に関するエキスパートです。近年、安全であるはずのインプラント治療のトラブルを耳にします。補綴専門医でない歯科医師でもインプラントなどの補綴治療ができ、インプラントは高額なので多くの歯科医が手がけます。しかし、インプラントをはじめとする難しい補綴治療は、やはり専門医にやってもらうべきだと思います。
目的: 重度ブラキシズム(歯軋り)による咀嚼障害とガミースマイルによる審美障害の回復
治療内容: 歯冠頂延長術+顎運動解析+審美情報・運動路採得+咬合再構成
副作用・リスク: 補綴装置脱離・破損、顎関節症
治療期間: 12カ月
費用[税抜]: 3,400,000円
【内訳】 ・ジルコニアセラミック冠: 150,000円×12本
・プレスセラミック冠: 80,000円×16本
・歯冠頂延長術: 120,000円
・プロビジョナルレストレーション: 100,000円×2回
目的: 不良補綴装置による審美障害の回復
治療内容: 抜歯+インプラント+審美情報・運動路採得+咬合再構成
副作用・リスク: 術後疼痛・腫脹、顎関節症
治療期間: 10カ月
費用[税抜]: 2,400,000円
【内訳】 ・インプラント: 350,000円×3本
・プロビジョナルレストレーション: 90,000円×2回
・プレスセラミック冠: 80,000円×19本
目的: 不良補綴装置による審美障害・咀嚼障害の回復
治療内容: 抜歯+インプラント(抜歯即時埋入、骨造成、ソケットリフト) +審美情報・運動路採得+咬合再構成
副作用・リスク: 術後疼痛・腫脹、顎関節症
治療期間: 18カ月
費用[税抜]: 5,700,000円
【内訳】 ・インプラント: 350,000円×9本
・骨造成: 70,000円×2カ所
・ソケットリフト: 50,000×3カ所
・プロビジョナルレストレーション:80,000円×2回
・ジルコニアセラミック冠: 150,000円×14本